海老原一己 / GlassEye Inc.

Kazumi Ebihara

 

会社概要   商号 株式会社 GlassEye (グラスアイ)

     設立 2007年10月

     代表 海老原一己

事業内容 建築写真撮影専門

撮影経歴 1993年~2007年、建築写真撮影専門の写真事

     務所に在籍。2007年の秋、誰もが抱く種類の

     会社に対する不満から独立を模索。

     15年に及ぶサラリーマン生活にピリオドを打つ。

編集室  東京都千代田区鍛冶町2-1-2 神田南口鋭光ビル6F

山梨分室 山梨県南巨摩郡身延町八日市場556

e-mail      ebihara@glass-eye.jp

 

 

 

 

 

★グラスアイに撮影を依頼しない方が良い理由

 

あなたがこれを読んでいると言うことは、グラスアイに何かしらの興味があるからだと思います。

 

そんなあなたへ。

グラスアイに撮影を依頼しない方が良い理由を説明します。

 

その前に、普通は最後に「撮影のご用命をお待ちしております」的な流れになるのですが、特にそんなオチはありません。

では、何の為にこのウェブサイトが存在するの?と疑問に思われるかもしれませんのではじめに説明しておきます。

 

そもそも私はお客様からのご紹介とクチコミだけで撮影を請負っています。

特に営業活動はしておりません。

ある時、お客様から「知人にグラスアイを紹介する為のウェブサイトを立ち上げて欲しい」と言うご相談を頂きました。

今時ウェブサイトの一つも持っていないのでは話にならないみたいです。

それで仕方なくこんなウェブサイトを立ち上げてみました。

同業者のウェブサイトには、写真家のセンスやテイストを見せるよりも「有名建築家の作品を撮っている自分は凄いでしょ!」

と言わんばかりのモノが沢山見受けられます。

ああ言った類のサイトは、私にはこっぱずかしくて無理です。

そこでせっかくウェブサイトを作るのならば、自分の好きな写真を掲載しようと思いました。

そんな流れです。

以上の理由からこのウェブサイトが存在しています。

 

以下、長々と「グラスアイに撮影を依頼しない方が良い理由」を説明しますので

よっぽど暇な人か物好きな人以外はこれ以上読まない方が良いですよ。

 

不肖グラスアイは「建築写真専門」です。

建築以外のブライダルや料理の撮影は請負っておりません。

七五三も撮るけど、建築も撮れますよ!…では無くて建築写真だけしか撮影しません。

勿論、外注&下請け撮影も行っておりません。

あなたが建築写真撮影以外を予定しているならば、他をあたった方が賢明です。

 

週末に集まって大学時代の研究室仲間と一緒に楽しい建築談義。

新建◯の取材を受けたんだよ!」などなど近況話に花を咲かせたいもの。

建築好きのあなたは、竣工写真を眺めながら白飯三杯は食べたいところでしょう。

悲しいかな、グラスアイの事など誰も知りません。

知名度が低い私に撮らせてしまうと仲間の建築家に自慢出来ませんよ。

あなたの自尊心は全く満たされません。

 

それと、30年近くこの業界にいてずっと気になっている事が。

建築家の中には、自分が設計した建物を「作品」と呼ぶ人が少なからずいますが、私は「作品」と呼ぶ事に抵抗があります。

確かに建築は製作物です。良い建築を作ろうと思えば優れたデザイン性を求められるので、建築物を「作品」と呼ぶのはあながち間違いではありません。

しかし、どうにも違和感があるのです。

そもそも「作品」という言葉の向こう側には、施主の土地とお金と住居(建物)の必要性を利用して

建築家が自らのデザイン表現意欲を満足させると言うニュアンスがつきまとうのです。

所詮、人の財布で遊んでいるんじゃないの?と思われる建物を沢山見てきました。

 

一つの建築を作るのには、建築家だけでは無く、現場監督をはじめ沢山の職人さんの知恵や技術が費やされ、

少しでも良いものを作ろうとする気持ちで充満しています。

したがって、建築家が施主と一緒に設計したモノを、現場監督や職人さん達の力を借りて施工したモノを

当たり前の様に、自分一人の力で建てたの如く「私の作品」と呼ぶのは如何なものかと思うのです。

そもそも施主がOKを出さなければ、設計デザインが形になる事は無いのですから。

私はその建築を「作品」と呼んでも良いのは、建築家からの提案(設計案)を受け入れた施主と、

建築家が自らの資本で建てた場合、そして何の利権も絡んでいない第三者だけだと考えます。

自分が設計した建築を「作品」と呼びたい方は、自分が撮影した写真を「作品」と呼ぶ著名な建築写真家の先生に撮影して貰った方が良いですよ。

ちなみに私は日本建築写真家協会で広報を仰せつかっております。リクエストがあれば著名な建築写真家にお声掛け出来ますよ。

 

建築のプロポーションを大切にしたい人。

建材の質感を写真で表現したい人。

その空間に流れる空気を写真で表現したい人。

そして、写真を活かして本気で収益を考えている人。

以外は、私に撮影を依頼してはいけません。

 

更に、設計した建物が建築雑誌に掲載される事にステータスを感じる人も私に依頼してはいけません。

私は建築雑誌の撮影を請負っておりませんので、全くあなたのお役に立てません。

 

また、グラスアイではスペックワーク(spec work)を行なっておりません。

スペックワークとは、平たく言えば「気に入ったらお金を払うよ、気に入らなければ払わないけど」という類の要求。

「とりあえず多めに撮ってよ!良かったら採用するから」。

よく聞く設計者からのお言葉。

この「とりあえず撮ってよ」が曲者で、大抵は製品レベルの写真を指していて、中途半端な写真じゃ納得してくれません。

試食として小鉢に一口大のネタを盛り、その味見から検討するという流れならば百歩譲ってまだ分かるのですが。

例えば銀座の鮨屋で「とりあえずお任せで握ってよ、美味しかったらお金を払うから」と言えるでしょうか?

私はそんな事、恐ろしくて言えません。

普通は注文して箸をつけた以上、代金は必ず払う。味に不満があれば二度とその店に行かなければ良いのです。

もっと言えば、クライアントから「とりあえず図面を描いてよ。気にいったら設計料を払うから」と言われたらどうでしょうか?

 

「労働力・時間は原価」だと私は考えます。しかし、何故かそれが成り立たないのがこの業界。

私の経験からスペックワークを強要する人は、建築写真を軽んじている場合が多いのです。

そのような方の常套手段は「次の仕事を紹介するから」と言う言葉。山師みたいな人が多い。

だけど次の仕事を紹介された試しが無い(笑)

私は、私の腕を信頼してくださる方の為だけに100%の力を発揮したいと考えています。

ベストなアングルを探し、美しい光を選び、一枚一枚丁寧に「素材」を記録しています。

これは当たり前。誰もがやっている事です。

その「素材」を持ち帰り、Macという暗室の中で、何枚ものレイヤーを重ね、色調補正作業を進めます。

如何に自然に見せられるか?「素材」が「写真」に変わる瞬間です。

江戸前寿司の板前さんが「素材=ネタ」によって仕込み方法を変える様に、手間暇掛けて丁寧に「写真」を創っています。

被写体がショッピングモールであろうが、リゾートホテルのスイートルームであろうと、一枚の素材と向き合う姿勢は変わらないのです。

写真を観た人が実際にその建築を観に行きたいと思える様な、また、そこで生活している自分をイメージ出来る様な写真を撮りたいと考えています。

私の様なスタンスで一枚の写真と向き合っていると「とりあえず」では多めに撮れないのです。

 

昔、駆け出しの頃、ある文化施設で撮影していた時の話。

吹抜けホールをあっちから撮影して、いやいやこっちからも撮った方が良いかな?と試行錯誤していると。

背後から「建築写真は数を打っても当たらんで!」と関西弁が聞こえてきました。

振返ると、ニヤニヤと笑顔の二川幸夫氏が。

そうです。GAの、あのお方です。

見事に迷っている姿を見透かされていました。

その後、見かねたのか?即席の「建築写真撮影講座」を開いて頂きました。

「和室は正座した目線で撮影するのがセオリーだ」等々、今となっては良き思い出となっています。

 

また、ある時、当時草月会館にあった丹下事務所の模型製作室をお借りして、一人寂しく「別冊SDフジテレビ特集」の

編集用にポジフィルムを整理していた時の事。

フッと気配を感じたので振り向いたら、なんと丹下先生がいらっしゃったのです。

 

丹下先生  この写真はあなたが撮影されたのですか?

グラスアイ いえ、全部ではありません。村井先生が撮られた写真も混ざっています。

丹下先生  そうですか。ところで、あなたはロンシャンをご覧なった事はありますか?

グラスアイ はい、建築雑誌で観た事があります。

丹下先生  なるほど。そうですね。ほとんどの人は実際に現地に行って実物を観る事は出来きません。

      では、どうやってこの素晴らしい建築を人に伝える事が出来るのか。分かりますか?

      写真と映像です。そこであなたの様な写真家の仕事が活きて来るのです。

      建物のプロポーションが一番良く見えるアングルを探して、建材の質感が分かる様に、

      そして、そこに流れる空気を大切に撮影して下さい。

 

その様なお言葉を頂きました。緊張と同時に天にも昇る心地でした。

そもそも私がこの世界へ入るきっかけとなったのは、村井先生が撮影された国立代々木競技場の写真と出会ったからなのです。

私にとって、雲の上の人、建築の神様が設計された建物を自分が撮影出来たという幸運。その写真を丹下先生に観て頂いた奇跡。

更に建築写真の本質に迫った有難いお言葉まで頂戴して感無量。

建築写真家になって本当に良かったと思えた瞬間でした。

グラスアイの撮影スタンスはここから来ているのです。

 

 

いかがでしょうか?

こんな私に撮らせたいと思いますか?

ハッキリ言って面倒くさい奴ですよ。

自信を持って「グラスアイに竣工写真を撮って貰ったよ!」と言えますか。

やめた方が良いですよ。絶対に後悔しますから。

私にアポを取る前に、今一度冷静に考えましょう。